スポンサーサイト

2020.11.12 Thursday

一定期間更新がないため広告を表示しています

2013年6月30日 お礼(PR・IT情報委員長退任に際して)

2013.06.30 Sunday

さて、漸う本年度の活動報告も終了し、最後のお礼を申し上げる段となりました。

大変拙い運営であったことをお詫び申し上げます。


その上で、余言ではありますが、本年度の水戸西ライオンズクラブのテーマは「善意からの前進!アクティビティ」でした。

ライオンズの社会奉仕活動の原動力が善意であることは自明のことです。

しかし、ライオンズならずとも善意のない人間など存在するのでしょうか。

その意味で、善意や社会奉仕は決してライオンズだけの専売品ではないはずです。


それでも、我々がライオンズクラブのメンバーとして社会の公益性に、より強くアプローチできるのは、ライオンズクラブの社会奉仕は「I serve」、即ちライオン「個人」の運動ではなく、「We serve」つまり「我々」ライオンズの力の結集によるものだからです。


そうであればこそ、我々にとって必要なことは、今この瞬間にまず一歩、いや半歩だけでも、踏み出す事ではないでしょうか。

たとえ失敗する可能性があっても、少しでも前進していきたい。

どのみち神ならぬ身では図面は描けても、結果は描けないのだから。

歩みを進めさえすれば、たとえ道に迷っても何時かは辿り着くことができるはずです。

どんなに遠回りであったとしても、進んで行く意志さえあれば、我々の先人たちが多くの理想を実現してきたように、我々にも不可能である理由などありません。


もちろん、その一歩を踏み出さなければ、道に迷う事はないでしょう。

しかし、踏み出さない限り絶対に目標に辿り着く事はできません。

我々の未来の限りない可能性、その可能性にいたる道程の不確実性を恐れて立ち止まるか、或いは可能性の実現に向けて真っ白な海図の大海原に乗り出すかが、我々が真のライオンたるか否かの試金石なのではないでしょうか。


1917年、メルビン・ジョーンズが、彼がそれまで参加していた社会奉仕団体の現状、即ちビジネスサークルの延長としての個々のメンバーの公徳心の涵養というあり方に対して感じた限界と、その限界を突破した先に見出した真の社会奉仕の可能性について、本年度、我々は、彼と同じ可能性を見出すことができたのではないでしょうか。


今回、我々水戸西ライオンズクラブは愛する郷土水戸を「人に優しいまち」にするべく運動を開始しました。

それは、橋本事業委員長の発案によるものでした。

しかし、決してただ一人の想いに由来するものではありません。

かつて、L橋本がスピニング・フープス・レボリューションの齋藤代表との面談において「これ以上のバリアフリーはいらない」という逆説的なオピニオンに啓示を受け、物理的サポートの限界性と、ソフト的サポートの可能性についての気付きを得、全ての人が互いに思いやることにより、単に障害者のみならず、全ての人々にとって住みやすい「まち」になるのではないかとの着想を得てクラブへ提案し、クラブにおける議論と齋藤代表との協働により実現しました。


この運動の真意は、決して健常者が障害者をサポートするという限定的、一方的なものではありません。

障害者に限らず、困っている人が居れば助けられる人が助けるという、本来、あるべき姿でありながら、近代への流れの中で、個人主義や社会保障の制度化などの陰で忘却されつつあった、わが国本来のモラルの復権であると言えるかもしれません。

その意味において、今回の運動の方向性は決して我々の創造したものではなく、むしろ誰でも知っていることです。

しかし、誰でも知っていながら、実現することは難しい。

そして、難しいからこそ、ライオンズの力が必要だったのです。


それは、決して大きな成果ではなかったかもしれません。

しかし、一人ひとりのライオンの力には限界があり、己の善意のみで実現させることは困難であるとしても、ライオンズの力があれば、可能かもしれない。

そして、もし、今は不可能であったとしても、まず運動を始めることにより、より多くのライオンズ、そして社会の力との協働により何時かは成し遂げることができるかもしれないということを、少なくとも信じることができたのではないでしょうか。


それだけの可能性がライオンズには存在していることを、身体感覚として実感することができたことは、本年度、我々が手に入れることができた、もっとも大きな成果ではないでしょうか。


そうであるならば、そして我々水戸西ライオンズクラブが真の社会奉仕団体であるならば、決して立ち止まってはならないはずです。


なぜならば、如何なる場合においてもその場に立ち止まることは、何もしないという行動を選択したということであり、その結果は何の成果も齎しえないという点において、最悪の結果でしかありえず、我々の社会奉仕団体としてのレゾンデートルを自ら否定してしまうという意味において自殺行為ですらあるからです。


その意味で、本年度、善意からどれだけ前進できるかを我々が自らに問うことができたことは、それこそが、真のライオンズのアクティビティであったと自負できるのではないでしょうか。


突然の来日であったモンゴル留学生支援事業をはじめ、この一年間我々が成し遂げてきた数々の事業は、我々水戸西ライオンズクラブと多くの諸団体及び市民の皆様との絆によってのみ達成可能なものでありました。


その意味において、ライオンズクラブのfriendshipの精神は決してクラブメンバーのみのものではなく、我々は奉仕活動を通じて、全世界の人々の善意と結び付き、その善意の集合体をライオンズの力を以て、現実の力へと少しでも前進させることができたと自負しております。


最後に、メンバー並びに関係者の皆様の温かいご支援により、未熟な身にもかかわらず、一年にわたりPR・IT情報委員会委員長の重責を担わせていただきましたことを心より感謝申し上げ、次年度今井委員長へバトンを渡して、本年最後の活動報告とさせて頂きます。

ありがとうございました。


2012年度 PR・IT情報委員会委員長 笹沼 一弘 謹白