平成29年度 少年の主張 茨城県大会

2017.10.28 Saturday

#水戸西ライオンズクラブ
平成29年度 少年の主張茨城県大会が開催され、想いある少年の主張の中から、『水戸西ライオンズクラブ会長賞』を斎藤第一副会長より贈呈させていただきました。

 

その中から、茨城県知事賞受賞者の 高 友萌 さんの主張文を掲載させていただきます。

(知事賞受賞者から、主張文掲載の了承が得ております。)

 

 

どこにもない『普通』

 茨城県筑西市立下館南中学校 3年

 磔 友萌

 「英雄。何でここに居んでえ?」

高校の入学式。兄の友人が、最初に発した言葉です。その頃、母も、ママ友から、

「磔さん。何でここに居るの。」

と、声をかけられていました。悪気はないのです。それ程、兄の工業高校進学は、衝撃的なことだったのです。

 兄は、自分の名前を読むこともできないまま、小学生になりました。そして、勉強は、友人より常に二歩も三歩も遅れていました。

「ビリでもいいのよ。ビリから2番目の背中さえ見えていれば、いつかきっと追いつけるから。」

それが、母の口ぐせでした。

 こんなエピソードがあります。それは、兄が繰り上がりの足し算を習った日のことです。

兄は、怒りをむき出しにして帰宅しました。

「先生は、おかしいんだよ。僕の指は、全部で10本しかないんだよ。だけど、頑張って10より大きい足し算をしたんだよ。それなのに、先生は、10の位に1って書けって言うんだよ。絶対に変だよね。」

ふてくされた兄の目から、今にも涙がこぼれそうです。そのとき、母はどうしたと思いますか。「そんなこともわからないの。」と言って叱った?いいえ。母は、どのように説明すれば兄が理解できるかを、とてもよくわかっていました。そこで、母は、画用紙に大きく筆算の式を書いたのです。そして、10円玉と1円玉を式と同じ数だけ置き、兄に数えさせました。更に、1円玉10枚と10円玉を両替し、「10の位はね、10円玉の数を書く所なんだよ。」と言いました。1円玉10枚が10円玉1枚になる。それは、兄にとって、とても納得できる説明でした。

 私は、このエピソードを知ったとき、伝えることの難しさと大切さについて考えさせられました。

 小学生のとき、私には、発達障害の友達がいました。見た目は普通の子と同じなのに、うまく会話が続きません。ブランコが大好きで、ずっと乗っていて交替しないので、けんかになることもあります。教室移動のとき、準備が間に合わず遅れてしまうこともありました。そんな彼女に、どうしたら言いたいことが伝わるのか、試行錯誤の上わかったこと。それは、まず初めに、『貴女に話すよ。』という意思表示をすると良いということでした。

「○○ちゃん。」と名前を呼んだり、軽く肩をたたいたりして目と目が合うようにします。それから、少しゆっくり話してあげると、伝わることが多いのです。主語をはっきりさせたり、一文一文を短くする工夫もしました。

 今、彼女は特別支援学校へ行っているのでほとんど会うことはありません。でも、偶然町で会ったとき、とびっきりの笑顔を向けられると、『この子と友達になれて良かったな。』と、心から思います。

 兄は、発達障害者ではありません。しかし、勉強は苦手でした。母が兄の良き理解者だったからこそ、皆に『奇跡』と言われるような力を発揮し、現在、工業高校で学んだことを活かして充実した日々を過ごしています。

 発達障害の人の中には、勉強の成績が優秀なために子どもの頃に気付かず、大人になってから発達障害とわかる人もいるそうです。勉強が苦手な兄は普通で、成績優秀な人が障害者?普通って、いったい何なのでしょう。

 普通なんて、本当は、どこにもないのかもしれません。障害がない人にも、苦手なことがあります。もちろん、得意なこともあります。人と人とが関わる中で、良い所を引き出し、苦手なことを補い合えたら、いろいろなことがうまくいくのではないでしょうか。

 相手を理解しようとするほんのわずかの思いやり。自分を表現しよう、考えを伝えようとする小さな努力の積み重ね。それさえあれば、一人ひとり、皆が個性を活かし輝けるはずです。そして、それは、幸せな社会を作る大きなヒントだと私は信じています。

 

以上

この高さんの主張文を読んで、「やさしさ」「思いやり」が伝わりました。

私達、水戸西ライオンズクラブが掲げる「やさしい街」にも共感出来ます。

そんなやさしさや思いやりが溢れる街、「やさしい街・水戸」にしていきたいですね!

(水戸西LC 広報委員会 L谷津)

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